こちらのページでは、企業経営者の方が、財務を強化したり、業績を管理する際に参考となるような記事を投稿しています。
特に財務の強化は、企業が継続して安定的に成長していくための守りの視点として重要です。
また、業績の管理は、経営者の方が効率的に事業の内容を把握して、次の打ち手のヒントとするために重要です。
少しづつコンテンツを充実させていきますので、ぜひよろしくお願いいたします。
なぜ税務だけではダメで財務が必要か?
年度決算を行なって、税務申告を行なって納税をする。
もちろんこれは申告義務のある法人にとって絶対必要なことではあるのですが、それだけでは不十分です。
税務だけではなく財務も見ていかないと、必要な資金を十分に会社に蓄えることができず、結果、会社の経営はなかなか安定しません。
詳しくはこちらをご覧ください→なぜ税務だけではダメで財務が必要か?〜財務を強くする処方箋
年に1度の決算だけで経営に役に立つのか?
決算は年に一度、税務申告書に添付する財務諸表のために作られていて、月次や四半期、半期で決算はしていない。そんな経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに年に一度提出する法人税申告書を作成するにあたって、年度の決算書は絶対必要です。
しかし、それだけだと決算書を会社の経営自体に役立てることは、難しくはないですか?そもそも諦めてしまっている方もいるでしょうか。
これが、月次や四半期で決算を行なっていくと、会社の財務や業績の状況を把握し、次のアクションへ繋げていくことがタイムリーにできるようになります。
詳しくはこちらをご覧ください→月次決算 – タイムリーに毎月の業績をふり返り、次のアクションへ
製品サービス別や事業別が分からない決算に意味があるか?
年度だけでなく月次や四半期で内部管理用に決算を行なっているとしても、ただ、会社全体で一つの損益計算書(P/L)しか見ていないという経営者の方も結構いるのではないでしょうか。
しかし、それだと仮に月次や四半期で数値が見えるようになったとしても、経営アクションに本当に役立てられるか疑問です。
例えば、主要な製品サービス別に売上高や粗利または限界利益、そして簡易的な計算でも営業利益がわかると大きく変わります。
もちろん、事業や部門が複数ある場合には事業別や部門別の切り口でも重要性に応じ、分けてモニタリングできると意味があります。
詳しくはこちらをご覧ください→事業別、部門別に業績を管理する〜ただの全社決算では見えないもの
実績だけ見ているより、予算・計画との対比で見ていく!
決算を四半期や月次決算でも見るようになり、主要な製品サービス別や事業・部門別で簡易P/L(収支)をモニタリングできるようになるとします。
それでも、ただ実績の数値だけを見ていると、経営やアクションが上手くいっているのかどうか分かりにくい面がまだあります。
ここで目標値との比較の視点があるとより意味のある管理につながります。
ただ、その場合にどうやって予算や計画値を作るのか?が問題です。あまり雑に感覚だけで予算や計画値を作っても意味がありません。
それではどうやって計画や予算数値を作るとその後の管理で使いやすくなるでしょうか?
詳しくはこちらをご覧ください→事業計画に使える損益モデルとは?間違えやすいポイントを解説
会社のミッション(使命)と、CSF(事業の成功要因)を意識
会社は短期的には、上記までに解説したように、事業活動を事業別や製品サービス別にモニタリングできる仕組みを作り、それぞれを改善する施策を考えて対処することを、競争相手よりも早く的確にできれば、その市場においてより優位な立場を作っていける可能性が高いです。
中長期的には、どの課題を優先解決すべきか?(CSF)の判断が重要
一方で、中長期的には、ただ早くエネルギーをかけてそれぞれの課題の改善を積み重ねていくだけでは不十分なケースもあります。
多々ある課題の中で結局どの課題をクリアすることが全体に与える影響が最も大きいのか?
いわゆるCSF(クリティカル・サクセスファクター)を見極め、いかに優先順位を間違えないで対応できるかで、差がついてくることが多いです。
CSFを導き出すためには、現代においても、戦略マップを作り、顧客の視点や業務プロセスの視点、研究開発(成長や学習)の視点、そして財務の視点を考えることに意味があります。
それらの視点が、あなたの会社のビジネス上どのようにお互いに関連しあっているかを書いてみて、その相関関係を、経営者やそれぞれの分野の責任者がお互いに腹落ちすることがとても重要となると考えています。
さらに中長期的には、結局、経営者が上記のように、会社の業績を数値で適切に把握モニタリングして、スピーディに課題を見極めてクリアしていくだけでは不十分になることも考えられます。
さらには企業のミッション(使命)がなければ続かない
結局、組織が拡大していくにつれて経営者の力や優秀さだけで対応できるウェイトは下がり、組織を構成する「人」たちがいかに、経営者の熱量と近いレベルでモチベーションを持って同じ方向を向いて戦ってくれるかが重要になってくるでしょう。
ですので、そのステージにおいては、会社が明確なミッション(使命)をその仕事環境において見出し、それを言語化して、従業員全体に伝え、同じ方向を向いて戦っていくことができるかどうかが差をつけることになると思います。
ミッションとしては、ただ利益を上げる、一番になる・・・といった競争に単に勝つといったものを掲げているような会社もあるようです。
しかし、そうではなく、従業員の方が日々の自身の業務に対して、目の前の会社の利益以外の観点で、社会的な意義を感じられるようなものであることが必要と私は思います。
もちろん、既存の大企業のように、取ってつけたような綺麗事をミッションとして示すのではなく、
確かに自分たちの意義はそこにあるなと腹落ちできるようなものをミッションとして経営者が強く思い、それを社内で共有することができないとミッションの意味はないでしょう。
既存の(旧来の)大企業には手本にならない面も実はある
もちろん、例外的に、過去に何らかの理由によって巨大化し、その後既に得た権益やブランドを最大限利用することで生き残っている既存の大企業の場合もあります。
また、純粋な市場原理だけでなく、政治的な関係性などで大きくなった企業においては上記は当てはまらないことが、ままあるとは思います。
しかし、これから成長を志す企業経営者の皆様においては、そのような特殊で、あまり良くない状態とも言える会社を手本にするのはおすすめしません。
そうではなく、真の力と人々に与えるプラスの影響力を持った会社を志向されていくことが、最も健全であり、かつ、最も成功に近づく手段ではないかと、筆者は考えております。
まとめ
いかがだったでしょうか。ステップ別に解説をしてきましたが、あなたの会社がどの程度の規模でどのようなステージにいるかで、最適な管理の方法は変わってくる面はもちろんあります。
例えば、売上が小さく、事業も安定して成長も特に目指しているわけではないという場合もあります。
その場合、手間やコストをかけず、淡々と毎年の税務申告を行い、そのためだけの最低限の決算書を作るということも一つかもしれません。
一方で、仮に現在の売上高が小さくても、創業から間もない時期であり、短い年数で売上高を大きく伸ばす計画であったり、売上高が一定規模以上であれば、やはり税務だけではなく財務のためにも決算数値をモニタリングしていく必要があります。
そして、経営管理として、製品サービス別や事業別に数値を管理して、なおかつ、計画数値と実績数値の差異をモニタリングして、直近の経営アクションが間違っていないことのチェックをすることがとても重要になってくるでしょう。